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ケース紹介

ケース#1 54歳 女性

【自己紹介をお願いします】

資格試験の運営・実施をする会社で働いています。この会社で正社員復帰して12年になります。パートナーと長男27歳(別居)、次男24歳、長女20歳の家族構成で、一番下はまだ学生なので、子育ては最終コーナーを回った所でしょうか。スマホでLINEのゲームをすることと夜中に料理するのが最近のはやりです(笑)。

【現在、どういう仕事をしていますか?】

社員の採用と試験運営部門で取引先顧客のサポートを兼任しています。

【今の仕事に必要なスキルはなんですか?】

ITの幅広い知識、面接力、コミュニケーション力、電話対応力(コールセンター業務知識)、情報収集能力、考える力でしょうか。このスキルすべて十分あるわけではありませんが、必要なので日々磨いていかなければいけないと思っています。

【あなたのキャリアについて7つの質問】

①あなたにとって「働く」とは?
 自分の能力を社会還元し、(経済面も含めて)心身ともに自立する手段

②キャリア開発をする上で重要と思われている要素を3つ教えてください
 自分で選び責任を取る・好奇心・あきらめない

③今の貴方が、働き始めたばかりの昔の貴方に一番伝えたいことは?
 人との出会いを大切にし、時間を無駄にしない。

④キャリアの転機になったエピソードを教えてください
 仕事が見つからなかった時、自分で営業してみたら仕事に就けたこと。やればなんとかなると思った。

⑤失敗したことを一つ紹介してください。その時はどうやって解決しましたか?
 正社員復帰して1年、仕事熱中し過ぎて、ある日一番下の子に仕事をやめてくれと泣いて懇願されました。 会社に相談して仕事時間を半分に減らし(お給料も半分以下)、その間に犬を飼って子守代わりに育て1年後にフルタイム復帰しました。黒ラブを飼ったのですが、夜は寝かしつけてくれるし、遊び相手にもなってくれて猫ならぬ犬の手まで借りて子育ての危機を脱しました。

⑥仕事とプライベートの配分はどうしていますか?
 7:3位。家にいる時は、食事・お風呂・就寝など使える時間はすべて子どもと一緒に過ごしています。

⑦仕事より大切なものは?
 家族です。

【私の仕事史】

◆ファーストキャリア◆

大学卒業後、コンピュータがやりたくて金融系のシステム開発会社に就職。コンピュータ知識ゼロでしたが、会社で3か月の研修の後はOJTで覚えるというスタイルでした。仕事が面白くて、もらえる仕事は何でもやりたいのでもっとやらせてくださいと上司に相談、設計から開発、テストまで好きなだけさせてもらえました。結婚して妊娠8か月で退職するまで3年半お世話になりましたが、ITスキルの基礎と仕事の仕方をしっかり教えてもらいました。

◆子育て&仕事再開の種まきの時期◆

子どもはじっくり育てたい派だったので、子供の小さいうちは家にいようと退職しましたが、「また仕事をする」と決めていたので、自分の中では「子どもが2歳になった時には再開する」のを目標にしていました。

子どもが2歳になったのを機にまずハローワークへ。失業保険をしっかりもらいながら職探し。ただフルタイムでは子供を保育園に入れないといけない。ここが私のこだわりだったのですが、幼稚園に通わせながら働けないか? と探していると某金融系システム開発会社が在宅プログラマを募集しているのを発見。家でプログラムを書いて、会社にはプログラムが動くかテストをしに行くだけでよいというこの条件は私の働き方にピッタリでした。

この時期は収入よりも持ち出しが多くて構わない。再就職に向けて仕事への感覚を取り戻すのとITスキルのキャッチアップが第一目的だったので、収入がすべてベビーシッター代に消えてもOKと思っていました。ベビーシッターも業者に頼むのではなく、自分が自由に頼めて、信頼できる人をと公園で親しくなったお母さんにお願いしました。子供への接し方も尊敬できる友人数人に頼み込んで、会社に行く日に見てもらえる方に預け、遅い時には夕食まで食べさせてくれるのでとても助かりました。

1人目と2人目が生まれる前まで、2人目が2歳になった時から3人目が生まれる前までは同じ会社で在宅プログラマのバイトをしました。3人目が2歳になった時、またお世話になろうと伺った所、会社に常駐してくれれば雇うけど在宅の仕事はもうないですと言われてしまいました。仕方なくほかの仕事を探さねばなりません。

そうだ!派遣で働こうと大手の派遣会社3社くらいに登録。簡単なビジネスマナー研修やOAのスキルテストなどもしてくれるので、自分の仕事への準備がどの位できているのか、感覚が狂ってないか確認するのにはいい機会でした。ところが、登録しても紹介があるのは9時-17時の仕事ばかり。15時位で終わる仕事ないですか?とお願いしても、あれば紹介しますで終わってしまいます。

そのうち、「自分で探そう!」と思い立ち、就業条件は別にして自分のスキル(プログラミングやシステム設計)を募集している近隣の会社の募集記事をできるだけ集めました。そして、在宅プログラマとして雇ってほしい、条件や賃金はこの位でという提案書と履歴書を添えてピックアップした会社10社位に送りました。2社から反応があり、1社目はお話を聞いてくださったあと、働くのであればやはり子供を保育園に預けたほうが良いとアドバイスされお断り。ただ、親身にお話を聞いて面接して下さったので、自分の要望と企業のニーズの温度差をきちんと確認でき、自分の甘い部分にも気づくことが出来て大変ありがたかったです。今、採用の仕事をする中で目標とする面接官像の一人です。

2社目は面接して下さった専務がとても先進的な方で「面白いね。初の試みだけど、とりあえずやってみましょう。ただ、うまくいかなかったらその時は相談ね。」と受けてくださり、仕事にありつくことが出来ました。意識を持って自分を営業する初めてでしたが、今を思えば就活は自分という商品の営業です。とにかくできることはやってみるといういい経験でした。2年位お仕事をさせていただき、そのあとは在宅でなく常勤してくれるならとオファーをいただいたのですが子供がまだ幼稚園だったので終了としました。

◆契約社員そして正社員へ復帰◆

仕事をしていない時期は、子供たちの幼稚園や学校の保護者会の役員などを積極的に引き受け、次に仕事を始める前にするべきことは終わらせておくというスタンスでした。
一番下の子が小学校に上がると学童保育を利用していよいよ企業に常駐する形で仕事を再開しました。

コンピュータの仕事をずっとしてきたと言っても大型コンピュータばかりが相手だった私は、秋葉原でニュースになった「Windows95の発売です!」のPCの知識は一般ユーザーを超えない範囲のスキルしかありませんでした。しかし、これからはPCの時代!スキルをものにするにはそれを仕事にするのが一番と考え、近所のPCスクールのインストラクター募集を見て応募しました。「ベースはあるので大丈夫でしょう」と前職のSEスキルが評価され、PCインストラクターに。2年半お世話になり、その間に色々資格も取得しました。

今の会社はインストラクターの時対策講座を行っていたIT資格の運営会社。ある日ホームページで人材募集しているのをみて応募。面接でその資格のファンであることを語り、「こうすればもっと良くなるのに」と発言して、「じゃあ、やってみてください」と採用になりました。ちょうど41歳にして正社員に復帰。たどり着いてみれば、ずっと前を向いてその時できることをやって来たからかなと思いました。

入社して1年、仕事にのめり込み過ぎて「ママ、会社を辞めて」と一番下の娘のストライキあう大失敗をしましたが、会社社長に時短の柔軟な提案をいただき、子守として黒ラブを飼って何とか乗り切りました。その後は、仕事と家庭のバランスには気を付けて現在に至っています。

会社が資格という人のキャリアアップの支援商品を取り扱っているので、キャリアのもっと全体像にかかわりたいとCDAを3年前に取得。同じCDA仲間と勉強会を重ねながら、働く女性の応援を続けていきたいと思っています。

(2013年6月14日掲載)


(2013年6月14日掲載)